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 お客様向けレポートでは「近日中に発表される米為替報告書に注意」と指摘したが、米財務省は29日、主要貿易相手国の為替政策を分析した半期為替報告を公表。

 為替政策の「監視リスト」に日本と中国、韓国、ドイツ、台湾を初めて指定。為替操作国の認定はなし

 監視リスト指定は、貿易相手国の為替操作防止策を盛り込み2月に成立した貿易円滑化・貿易執行法に基づく措置で、巨額の対米貿易黒字や経常黒字を抱える国、為替介入を繰り返す国・地域が対象となる。

 日本については、円高に「必要な措置を取る」と述べた当局者の発言を指摘し、安易な介入をけん制した。報告は、円高・ドル安が進む為替市場には「秩序がある」と指摘。名指しは避けながらも、円高の動きについて「非常に荒い」「為替市場の動向を緊張感を持って注視し、場合によっては必要な措置を取りたい」と述べた麻生太郎財務相らの発言を挙げた上で、「通貨安競争の回避」を徹底するよう要請した。

 日本は監視リストの指定に際し貿易黒字と経常黒字が基準に達した。その上で構造改革と併せ、柔軟な財政政策や財政刺激が短期的に必要とされた。

 これで、ドル円の上値は重くなる。

 11月に大統領選を控える米国では、環太平洋連携協定(TPP)発効などに伴う輸入増を警戒する声が多い。こうした懸念を背景に、米政府は他のTPP合意国と「通貨安誘導の回避」を確認。さらに同法に為替政策監視条項が盛り込まれた。

 2016年は、各国で政治ファクターが高まる時間帯。