ムーディーズ・インベスターズ・サービスは17日、英国のメイ首相が打ち出した欧州連合(EU)と広範な通商協定を締結するとの方針について、達成可能かは不明との立場を示した。

 ムーディーズのソブリンアナリストは「新たな合意がどの程度、包括的なものになるかは現時点では分からない」と述べた。そのうえで「ムーディーズは英国が単一市場へのアクセスによる数多くの利点を維持できる形での合意を確保できるとの基本シナリオを描いている」とし、「離脱交渉が4月に開始されるが、こうした合意が得られる公算がどの程度あるのか見極めたい」と述べた。

 ムーディーズは昨年6月のEU離脱決定を受け、英国の「Aa1」格付けの見通しを「ネガティブ」に変更。11月には英国が欧州単一市場へのアクセスを失えば格下げのリスクがあるとの見解を示している。