イラン大統領選では、現職の保守穏健派のロウハニ大統領が、再選を決めた。

 トランプ米大統領は、イラン大統領選に合わせるかのように、イスラム教シーア派国家イランの覇権拡大を警戒するスンニ派の大国サウジアラビアを初の外遊先に選んだ。湾岸のアラブ諸国と連携した包囲網の強化を目指している。米国とイランは、シリアやイエメンの内戦でも対立する勢力をそれぞれ支援しており、早期に歩み寄る可能性は低い。

 イランは2015年に米欧などと核合意に達し、主要な経済制裁は解除されたが、ミサイル開発や「テロ支援」を巡る制裁は残っている。

 内政では経済回復を進める上で、膨大な権益を持つ革命防衛隊との関係が焦点。 約12万人の兵員を擁する革命防衛隊は、1979年のイスラム革命の理念防衛のため創設されたが、多くの系列企業を抱えて経済分野にも進出し、肥大ぶりは「モンスター」と称される。
 ロウハニ政権が今後、外資導入や経済開放を進めようとした場合、防衛隊関連企業の抵抗が予想される。