トランプ米政権の行政管理予算局(OMB)は14日、最新の財政収支見通しを議会に提出し、2017年度(16年10月〜17年9月)の赤字幅を、予算教書を公表した5月時点から990億ドル(約11兆1000億円)増額修正。

政権は10年間で財政赤字の解消を掲げているが、試算が楽観的との見方が改めて強まりそうだ。

 17年度の財政赤字は5月時点の想定と比べ、16.4%増の7020億ドル、18年度は33.9%増の5890億ドルと、見通しが大幅に悪化。

マルバニー長官は書簡で「最近の税収状況に基づき、歳入見通しを引き下げたため」と説明。税制改革による経済成長や医療保険制度改革(オバマケア)の見直しなど、政権が想定する収支改善効果は考慮していない。

 トランプ政権は予算教書で、高い成長率を前提として10年後の27年度に財政黒字へと転換する見通しを示した。しかし、議会の中立機関は80兆円を超える赤字を見込むなど、懐疑的な見方が多い。