フロマン前米通商代表部(USTR)代表は23日、日本との自由貿易協定(FTA)交渉について「始めるまでに多くの手続きが必要になる」と語り、ある程度時間がかかるとの見方を示した。

 フロマン氏は「米政府は、北米自由貿易協定(NAFTA)や韓国とのFTAの再交渉、中国との貿易・投資交渉を優先している」と指摘。米国が日本に要求している自動車、農産物の輸入拡大などは「FTA交渉でなくても協議できる」と語った。

 16日に開かれた日米経済対話では、ペンス副大統領が日米FTA交渉に「強い関心」を表明し、日本に検討を促した。トランプ大統領が来月上旬の訪日で安倍晋三首相にFTA交渉を要求する可能性がある。フロマン氏は、日本がFTAに向かうかどうかは「安倍首相次第だ」と述べた。

 トランプ氏が就任直後に表明した環太平洋連携協定(TPP)離脱については、中国の影響力拡大を招いており「米国にとって最大の戦略的失敗」と批判。米国を除く11カ国による新協定「TPP11」交渉に対しては「TPPの高い水準を下げないでほしい」と述べ、合意内容をできる限り維持するよう求めた。