サウジアラビア政府は12日、中・低所得者に対する現金支給を21日から開始すると、国営通信が伝えた。

 来年に予定する電気や燃料などの値上げを控え、最も打撃を受ける国民層の負担を軽減し、不満の広がりを防ぐ狙い。一連の改革を主導するムハンマド皇太子への支持をつなぎ留める思惑もあるとみられる。

 サウジは多額の財政赤字を抱えており、ムハンマド皇太子は従来の手厚い補助金の削減を打ち出している。ただ、富裕層に恩恵が偏っているとして、皇太子はかねて中・低所得者向けに救済策を講じる意向を示していた。