4日に実施されたイタリア総選挙で惨敗した与党民主党(PD)のマルティーナ暫定党首は12日、次期政権に連立パートナーとして加わるよう求める声には応じず、野党に転じる考えを示した。

総選挙ではいずれの勢力も過半数に届かなかった。

 レンツィ前首相の党首辞任後に暫定党首に就いたマルティーナ氏は、党の会議で、五つ星と、中道右派連合内で得票率トップとなった「同盟」の2党が連立交渉を行うべきと指摘。投票結果は政権を任せたいという国民の願いが反映されているため、五つ星のディマイオ党首と同盟のサルビーニ党首は「責任を果たすべき」と強調した。

 第1勢力となった中道右派連合は下院630議席のうち、過半数に49議席満たず、第1政党となった「五つ星運動」は95議席足りない。このため、中道右派、五つ星ともに、112議席を持つ中道左派の民主党の協力があれば政権が樹立できる。上院でも民主党と組むことで過半数を得ることが可能。

同盟のサルビーニ党首はこの日、民主党と連立政権を発足させる可能性を否定。一方、同盟とともに中道右派連合を構成する「フォルツァ・イタリア」を率いるベルルスコーニ元首相は、政権樹立に向け民主党に協力を呼び掛けた。

イタリアのメディアでは、全ての主要政党が参加する「挙国一致体制」がこう着状態を打破する唯一の方法になり得るとの観測が広がっている。