ドイツのメルケル首相は15日、米国との貿易問題に関連して、欧州の戦略上の利益が自動車業界にあると警告したほか、米国の大手インターネット企業の競争法違反をめぐる調査について示唆。

 トランプ米大統領はドイツからの輸入自動車に対し、国家安全保障を理由に追加関税適用の可能性を示しているが、メルケル首相も「欧州連合(EU)にとっての自動車業界の戦略的な重要性を考えるべきで、そのために米国とのやりとりに備える」と述べた。

 また、米国のインターネット企業が支配する市場は欧州の社会モデルへの大きな問題だとの見解も示し、欧州の競争当局やEUに対する挑戦となっていると語った。

 EUの欧州委員会は3月、フェイスブックやグーグルなどIT大手を対象とする課税を加盟国に提案。こうした企業は欧州での利益をルクセンブルクなど税率の低い国に移し、欧州での租税を回避していると非難されている。
 メルケル首相も今週、米IT企業の欧州の利益を考慮すると、米国は貿易黒字になるとの見解を示していた