ドル円: 続伸。米国と欧州の自動車関税を巡る懸念がやや後退していることから買いが優勢だった。ドル安も支援要因。ただ、失業率の上昇に関しては労働参加率が上昇したことや、平均時給も予想を下回ったとは言え前回と同水準で、非農業部門雇用者数(NFP)が予想以上に伸びたことを加味すれば、FRBのスタンスを変更させるほどの弱さではないとの見方や、米株式市場が上昇しており、ドル円の下値も限定的。

NYダウ:続伸。朝方に発表された6月の米雇用統計を受けて、早急な利上げは回避されるとの思惑が意識され、株式相場には好都合と受け止められた。好決算期待も一因。一方、米中貿易戦争への懸念から引けにかけて、伸び悩んだ。

NY金(8月限):反落。6月の米雇用統計を受けてドル安となったことは強材料視されたが、株式市場が堅調に推移した事に加えて、米中双方の追加関税が6日に発動し、貿易戦争が本格化に向かう口火が切られたものの、悪性インフレや景気減速に対する警戒感が今のところ乏しく、安全資産である金には売りが入った。

NY銀(9月限):反落。金に連動して売りが入った。ただ、週前半までの下げは一服しており、前日のレンジを引き継いだ方向感の乏しい展開だった。

NY白金(10月限):反発。米雇用統計を背景としたドル安が支援要因となった。ただ、上値も定的。

NYパラ(9月限):続伸。米国と欧州の自動車関税を巡る懸念がやや後退していることから買いが優勢だった。ドル安も支援要因。

NY原油(8月限): 上伸。注目された米中の相互の制裁関税が、アジアの時間帯に発動されたものの、原油の反応は鈍く、アジア時間帯から欧州時間帯前半にかけては、72ドル台後半〜73ドル台前半で推移した。その後は、前日の弱地合いを引き継ぎ、直近安値を更新する場面もあったが、米雇用統計の発表後、為替がドル安に振れたことや、米株式が堅調に推移したことで、安値から大きく切り返す展開となり、プラスサイドを回復。

シカゴ大豆(7月限):急反発。米中の制裁関税の発動も、これまでの下落に織り込み済み感が広がり、買い直される展開となった。また、米雇用統計でドル安に振れたことや、ブラジルの実需筋が、米中貿易戦争により、中国のブラジル産大豆輸入が増加するため、ブラジルが米国産大豆を50万〜100万トン輸入して手当てする可能性を指摘したこと、輸出成約高が予想レンジの上限を上回ったことなど材料視された。

シカゴコーン(7月限):大幅続伸。注目された米中の相互の制裁関税の発動で、最も懸念された大豆が急伸したうえ、小麦も上伸して、シカゴ穀物全面高の様相となったことに支援された。米雇用統計でややドル安傾向となったことも好感された。また、週間輸出成約高は低調だったが、デイリーで大口の成約が報じられたことが支援材料となった。