国際エネルギー機関(IEA)月報で、世界の石油供給余力は各地で長引く生産停止により、限界に達した可能性があるとの見方を明らかにした。

 米国の制裁により、イラン産原油輸出が今年、減少することが見込まれているほか、ベネズエラの生産減、リビアとカナダ、北海での供給停止が原油相場を2014年以来の高水準に押し上げた。

 これに対し、石油輸出国機構(OPEC)とロシアを含めた主要産油国は協調減産の緩和で対応。また、トランプ米大統領が原油価格をOPECが引き上げていると非難したことを受け、OPECの盟主サウジアラビアは供給を増やす姿勢を示した。

 IEAは、主要産油国の生産が増えるという「大変歓迎される」兆候が既にあると指摘。ただ、各地の供給混乱が世界の原油供給を圧迫しており、世界の余剰生産能力は「限界に伸びきった可能性がある」と懸念した。

 IEAはOPECの産油量が6月、日量3187万バレルと、4カ月ぶり高水準に達したと分析。7月の中東地域における余剰生産能力は日量160万バレルで、世界の産油量の約2%程度と試算した。

 その上でIEAは、10〜12月期に米国の対イラン制裁が大きな影響を及ぼせば、サウジは一段と増産し、同国の余剰生産能力が日量100万バレルを下回るという、これまでにない水準に落ち込むと見通し。