米金融大手モルガン・スタンレーは12日、米国最大のシェール産地パーミアン盆地の2019年の原油生産の伸びが、前年の3分の1程度にとどまり、パーミアン産原油価格のディスカウント幅がさらに拡大する可能性
があるとの見通しを示した。パイプライン輸送量が限定されていることが要因という。

 テキサス州西部とニューメキシコ州にまたがるパーミアン盆地での掘削活動は、米国の原油生産を過去最高の日量1046万バレルに押し上げた。米エネルギー情報局(EIA)は今週、19年の原油生産量を日量平均1180万バレルと予測。

 だが、パイプライン輸送量の制限により、19年のパーミアン盆地の生産の伸びは日量36万バレルに抑えられる可能性がある。これは市場予想の63万4000バレル、18年見通しの96万バレルを下回る水準。

 伸びの鈍化により、WTIミッドランドのWTIクッシングに対する価格差は、当ぎりの1バレル=15.50ドルのディスカウントから、12カ月先渡しでは25〜30ドルに拡大する。

 モルガン・スタンレーによると、鈍化予想はパーミアン盆地産の原油を輸送できる量が限られていることが背景。パーミアン盆地のパイプライン容量(日量356万バレル)は、現在の生産量が347万バレルに近づいていることで、ほぼ限界となっている。また、パイプラインの建設遅れも見込まれていることから、さらにその先2年間も輸送能力が制限される可能性があるという。