国際通貨基金(IMF)は19日、英国が欧州連合(EU)から自由貿易協定をめぐる合意がないまま離脱した場合、EUは域内総生産の約1.5%に相当する長期的な阻害を受ける可能性があるとの見方を示した。

 IMFは「ユーロ圏と英国との間の緊密なつながりを踏まえると、英国のEU離脱(ブレグジット)による勝者はいない」と指摘。
IMFの推計によると、英国の「合意なき離脱」が現実となった場合、EU経済は約2500億ドルの損害を受けるとみられる。また、域内雇用者数の0.7%に相当する100万人を超える雇用が失われる可能性がある。

 IMFはブレグジットにより最も大きな影響を受けるのがアイルランドで、次いでオランダ、ベルギー、ルクセンブルクとなると予想。このほかドイツも供給網を通して影響を受けるとした。

 IMFは今回の報告書では英経済が離脱により受ける影響の試算は示していない。