英議会下院は15日夜(日本時間16日早朝)、欧州連合(EU)と合意したEU離脱案を採決し、反対多数で否決。230票差という大差での否決となった。否決の直後、野党第1党の労働党のコービン党首は内閣不信任案を提出。

内閣不信任案の採決は16日夜(日本時間17日早朝)に行われる。不信任案が過半数の支持を得れば、メイ政権の退陣や解散・総選挙につながる。

離脱時期の3月末までに議会の承認が得られない場合には、英が離脱時期の先送りや離脱の撤回を決断しない限り、「合意なき離脱」となる。

離脱案への批判は、唯一の陸続きである英領北アイルランドとEU加盟国アイルランドの国境問題に集中している。離脱案では厳しい国境管理を避ける具体策が見つかるまで、英全土をEUの関税同盟に残すという「安全策」を盛り込んだ。これが「離脱後も永久にEUに縛られ続ける」と猛反発を招いている。

今回の否決を受けて、メイ英首相は週明けにも議会に代替案を提示する見通し。EUとの再協議で譲歩を引き出し、反対派の議員を説得する材料を代替案に盛り込むことも必要になる。