日米の新たな貿易協定交渉の初会合が16日午後(日本時間17日午前)、ワシントンで2日間の協議を終える。日本は初日の協議で農産品や自動車など全品目の関税撤廃・削減を包括的に交渉する意向を説明した。
2日目はサービス分野の扱いも焦点になる見込み。終了後に茂木敏充経済再生担当相が協議内容について記者会見する。

 初会合には、茂木氏とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が出席。

 茂木氏は初日の協議後の会見で「声明に沿って交渉を進めることを再確認した」と述べ、物品貿易中心の交渉になるとの見方を強調。関税撤廃・削減は包括的に交渉し、米農業団体が求める農産品分野の先行合意にはならないとの見通しも示した。日本の農産品の関税撤廃・削減に関しては、米国が離脱した環太平洋連携協定(TPP)の自由化水準を「最大限」とする立場を改めて訴えた。

 会合に先立ち、ムニューシン米財務長官は円安・ドル高をけん制する「為替条項」の導入に意欲を示した。これに対し、茂木氏は「為替は財務相間で協議することで合意している」と指摘。

 米国では、TPP発効を受け、牛肉など農産品の対日輸出環境が悪化し、議会・業界団体に対日交渉の早期妥結を求める動きが広がった。金融や医薬品のデータ保護、食品安全など幅広いサービス分野の協議を急ぐべきだとの声もある。
一方、日本は夏の参院選を控え、農産品の自由化などでの大幅譲歩や交渉範囲の拡大は避けたい考え。