トランプ米大統領は12日、ロシアの欧州向けガスパイプライン事業「ノルドストリーム2」に対する制裁を検討していることを明らかにした。

 トランプ氏はポーランドのドゥダ大統領と会談した際、「われわれはロシアからドイツを守っているのに、ロシアがドイツから巨額の資金をもらっている」と話した。

 ノルドストリーム2はバルト海底を経由し、ドイツにガスを供給する。既存のパイプラインの供給能力を倍増させるが、欧州連合(EU)内では対立を引き起こしている。東欧や北欧、バルト3国はパイプラインにより、ロシアの欧州への経済的な影響力が高まると警戒。一方でドイツの政治家やエネルギー企業はノルドストリーム2を支持している。

 ノルドストリーム2はロシア国営天然ガス独占企業ガスプロムが主導し、資金の50%を独エネルギー大手ウニパーや、独化学大手BASFの子会社ウィンタースハル、英オランダ系エネルギー大手ロイヤル・ダッチ・シェルなどが拠出している。