米エネルギー情報局(EIA)は14日、2020年の米原油生産量が過去最高となる日量1330万バレルになるとの見通しを発表。前年からの増加幅は日量106万バレルで、従来予想の93万バレル増から上方修正した。

 21年の産油量は、前年比41万バレル増の日量1371万バレルと見込んでいる。

 EIAは「テキサスとニューメキシコ両州にまたがるパーミアン盆地での生産増に主に支えられ、20、21年は過去最高水準を達成すると予想している」と説明。

 また「20年は、石油輸出国機構(OPEC)非加盟国、とりわけ、米国、ノルウェー、ブラジル、カナダなどからOPECの減産分を補って余りある供給があり、世界全体で需要、供給ともに増加を見込んでいる」と指摘した。

 米国は、シェールオイルのブームによりサウジアラビアとロシアを抜き世界最大の産油国となった。ただEIAは、20年の新規掘削への投資額は2年連続で減少する見込みで、原油生産の伸びは来年に向けて鈍化すると予想した。将来の生産量を推計する際の指標となる石油リグの稼働数も、19年は16年以来、初めて年間で減少に転じた。

 一方、20年の石油とそれ以外の液体燃料の需要は日量16万バレル増加し2064万バレルになるとし、前回予想(2075万バレル)を下方修正した。