米議会上院の銀行住宅都市委員会は13日、トランプ大統領が連邦準備理事会(FRB)理事に指名したジュディ・シェルトン元欧州復興開発銀行米国代表ら2人の公聴会を開いた。

シェルトン氏はこれまでの著書や発言の中でFRBを鋭く批判してきた人物だが、公聴会ではFRB当局者と協力し、独立性を重んじると強調。「意思決定において独立することを誓う。何をすべきか私に指示する者はいない」と述べた。さらに シェルトン氏は、自身のFRB理事への指名が承認されれば、カナダとメキシコとの北米共通通貨の導入推進といった従来の主張を取り下げる立場を示した。ノースカロライナ州の男性が貴金属の裏付けがある独自通貨を発行したことを、公民権運動の火付け役であるローザ・パークス氏に例えた過去の発言についても陳謝した。

ただ、公聴会後、共和党議員3人がシェルトン氏を巡る懸念は完全には払拭されていないと表明。同委員会は共和党議員13人、民主党議員12人で構成され、民主党からの賛成票は見込めないことを考えると、共和党から3人が反対に回ればシェルトン氏の指名承認は阻まれる。

昨年には、トランプ氏がFRB理事への指名を検討した元ピザチェーン経営者、ハーマン・ケイン氏と保守系経済評論家スティーブン・ムーア氏が、上院の承認が得られないとして指名を辞退している。


もう1人の候補であるセントルイス連邦準備銀行調査局長のクリストファー・ウォラー氏も質疑に応じたが、同氏の見解についてはほとんど質問が出なかった。

ホワイトハウスのジャッド・ディア報道官はツイッターへの投稿で、シェルトン、ウォラー両氏の指名は「取り下げない」と表明。「ホワイトハウスは両氏の指名が上院で承認されると見込む」とした。