ゴールドマン・サックスは、現在の世界の供給過剰規模を勘案すると、米政府が戦略石油備蓄(SPR)の積み増しに動いても、第2、第3四半期に北海ブレント原油が1バレル=30ドル割れになるのを回避するには不十分と指摘。

 トランプ大統領は13日、原油価格安を受け、SPRを積み増すと発表したが、ゴールドマンは、15日付のリポートで、政府によるSPR向け購入量は最大で日量約50万バレル程度で、現在、供給過剰状態にある世界石油市場の600万バレルに及ばないとした。

 ただ、ゴールドマンは、「こうした購入拡大が、石油輸出国機構(OPEC)とロシアの増産競争激化で起こりうる、米原油輸出の減少を相殺する一助になる」と指摘。同社の定量的な価格決定モデルでは、1バレル=2ドル押し上げる効果があるとみている。米エネルギー省当局によると、SPRには追加で最大7700万バレルの貯蔵余力がある。現在の備蓄量は6億3500万バレル。