wti

週末のNY原油(4月限)は、反落した。前日比2.79ドル安の1バレル22.43ドルで終えた。一時は2002年2月以来18年ぶりに20ドルを下回った。

米大統領がサウジアラビアとロシアの価格競争に「適切な時期に介入」する可能性を示唆したことや株安一服を受けて時間外取引で上昇したが、米カリフォルニア州や米ニューヨーク州で外出禁止令が出され、景気の先行き懸念が強まり、株安に転じると、戻りを売られた。石油施設が集まる米テキサス州の当局は、市場安定を目的に同州での減産を検討していると18日に報じられたが、相場の反応は限定的。

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、トランプ米政権がサウジに生産を制限するよう外交圧力をかける一方、ロシアには制裁をちらつかせて減産を迫る案を検討していると報じた。一方、米国の稼働中の原油掘削装置(リグ)数は前週比19基減の664基となった。原油価格暴落の影響が出ている。

新型コロナの感染拡大を防ぐため、20日に米ニューヨーク州が出勤禁止令を出し、トランプ米政権はメキシコへの出入国の制限を決めた。英国では国内のレストランやバーの営業制限を決め、世界的に経済活動の制限が強化された。欧石油商社のビトルは20日、「1日あたりの世界の原油需要が通常時より10%減る可能性がある」と試算したと伝わった。