欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は8日、欧州議会の経済金融委員会で、新型コロナウイルス危機対策として導入したパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)などは「一時的かつ的を絞った均整の取れた措置だ」と強調。インフレ見通しの悪化や不適切な金融環境の引き締まりを受けて、追加の金融緩和を決定したと説明した。

ECBは4日、国債や社債など買い入れるPEPPの規模を6000億ユーロ増額。総裁は「堅実な分析に基づき、資産購入は現状において特に効果的な手段であると判断した」と述べ、代替手段よりも「家計や企業の借り入れ条件により直接的な影響を与えるため、一段と効果的だ」と分析。
さらに資産購入の拡大は、民間部門の与信条件の緩和要因となり「存続可能な企業が事業を継続し、できるだけ多くの雇用を維持できるよう支援する」と語った。

一方で、ドイツ連邦憲法裁判所によるECBの量的緩和策に対する一部違憲判決をめぐっては、独政府と議会により「良い解決策」が見いだされることを期待していると説明。ただ、要請があれば問題の解決に向けて支援を行うと表明した。