昨晩のNY原油(8月限)は小幅続落。前日比0.01ドル安の1バレル40.62ドルで終えた。
新型コロナウイルス感染拡大懸念から売りが優勢。一方、米原油在庫の減少を見込む買いも入り下値は限定的。
アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ国営石油会社(ADNOC)が8月の輸出量拡大を計画していると伝わったことも一因。コロナショック後、石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟国は5月から日量1000万バレル近い減産を開始し、7月もこの規模の減産を継続するが、8月以降は予定通り減算規模を縮小する可能性が高まった。
主要産油国の従来の合意に基づくと8月から12月の減産規模は日量770万バレルとなる。来週14日に共同技術委員会(JTC)、15日に共同閣僚監視委員会(JMMC)が行われる。ロシアのノバク・エネルギー相は減産規模の縮小に前向き。
米エネルギー情報局(EIA)月報では、米国の石油需要見通しが上方修正された。2020年の需要見通しは日量1834万バレル、2021年は同1994万バレルに引き上げられた。ただ、米原油生産見通しも引き上げられた。米国の原油生産量は来年4−6月期にかけて日量1093万バレルまで減少すると見通されているが、従来の想定ほど減産規模は拡大しないと想定されている。