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欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は10日の記者会見で、7月以降急速に進んだユーロ高について、物価上昇の勢いを抑える恐れがあり、注意深く見守る考えを示した。同日の定例理事会では、大規模な金融緩和の維持を決め、政策金利も据え置いた。

ラガルド総裁は、ECBの金融政策は為替レートを目標としたものではないと説明したが、「為替レートを注意深く監視する必要がある」と述べた。

ただ、明確なユーロ高対策については言及しなかった ECBはコロナ危機対応で3月に新設した7500億ユーロ(約94兆円)の資産購入枠を、6月に1兆3500億ユーロに増額。国債や社債を買い入れて金融機関に大量の資金を供給するなど、企業や家計の資金繰りを支援してきた。

ECBはユーロ圏の経済成長率見通しについて、20年はマイナス8.0%(6月時点の予想はマイナス8.7%)に上方修正したが、21年は5.0%(同5.2%)に下方修正した。

物価上昇率予想は、20年は0.3%に据え置いたが、21年は1.0%(同0.8%)に上方修正した。