米国のフラッキング(水圧破砕法)石油生産業者は、今春の原油相場急落を受けて生産開始待ちのままとなっていた掘削済み未仕上げ坑井(DUC)の完成作業に動いている。

石油生産会社は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に伴う都市封鎖で原油価格が急落した際、費用がかさむフラッキング(水圧破砕法)事業を停止した。DUCは、原油価格が回復した際に、最初に使われる油井だったが、原油価格の安値低迷で石油業界は苦境にあるため、各社はDUCの仕上げに低コストで作業員を雇える状況。

米調査会社プライマリー・ビジョンのデータによると、水圧破砕装置の稼働数は、9月半ば以降で約50%増の127基。同じ時期の掘削リグ稼働数を約17%上回った。

米エネルギー省の統計では、国内シェール生産州のDUCは、9月時点で約7600本。前年同月の約8200本から減少。昨年は、多くの油井が掘削されたが、仕上げ作業は完了していない。