3月のイスラエル国会(1院制、定数120)議員選挙を受けた連立交渉で、野党の右派政党「ヤミナ」を率いるベネット前国防相は5月30日、同じく野党の中道政党「イェシュアティド」を率いるラピド元財務相と連立政権を樹立することで合意したと発表した。

議会の承認を得られれば、同国史上最長の連続12年にわたり首相を務めてきたネタニヤフ氏は政権を失うこととなる。ネタニヤフ氏は収賄罪などで起訴され、昨年5月から公判が続いている。イスラエル政界はネタニヤフ氏を支持するかで二分し、2年間で4度の総選挙が行われる異例の混乱が続いていた。ネタニヤフ氏は1996〜99年に首相を務め、09年に政権に返り咲いた。在任期間は通算15年を超え、建国の父である初代首相ベングリオンを超えて歴代最長だった。

新政権では、極右政党イエミナを率いるナフタリ・ベネット前国防相が、まず2年間にわたり首相を務め、その後ラピド氏と交代する。

新たに首相に就任する見通しのベネット氏はネタニヤフ氏以上の右派とされ、国際法違反と指摘されるパレスチナ自治区への入植活動を進めるなど強硬姿勢で知られている。