保守穏健派ロウハニ大統領の任期満了に伴うイラン大統領選(18日投票)は、16日の選挙戦最終日を迎え、8年ぶりに政権奪還を目指す保守強硬派の勝利が濃厚。反米強硬派、最高指導者ハメネイ師に近いライシ司法府代表(60)が圧倒的に優位な様相。

13年に就任したロウハニ大統領は欧米などと核合意を締結し、制裁の一部緩和に成功。社会の自由や発展を求める若年層らの支持を集めた。しかし、トランプ前米政権の対イラン制裁復活によって経済は一転窮地に陥り、求心力が低下した。

昨年2月の国会選では、保守強硬派が議席の7割以上を得て圧勝した。強硬派が大統領職も握れば、ロウハニ政権が進めた国際協調を軽視し、挑発や緊張を高めて譲歩を引き出そうとする政策を志向する懸念が高まる可能性。