米証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長は、米債券市場の透明性向上に向け、高速取引(HFT)業者にディーラーとしての適切な登録を求める新ルールをまとめるようスタッフに指示した。ニューヨーク連銀の講演で述べた。

同委員長は新ルールについて、プリンシパル・トレーディング・ファーム(PTF)とも呼ばれるHFT業者に対し、自社の取引について米金融取引業規制機構(FINRA)の取引情報提供システム「TRACE」への報告を義務付ける可能性が高いとした。

米国の市場監督当局として、SECはHFT業者に資本規則や記録管理規則の順守を義務付けるべきで、株式市場や社債市場と同様に定期的な検査の対象にすべきとの考えを示した。

規制当局は以前から、コンピューターで瞬時に巨額の注文を出すことができる高速取引について、米国債市場のリスクになり、市場の機能や投資家が資産価値を公正に評価する能力を損なう恐れがあるとして懸念を示してきた。