NY原油(6月限)は、大幅反発。前日比5.95ドル高の1バレル105.71ドルで終えた。
ウクライナのエネルギー事業者が11日、ロシアから欧州連合(EU)へ天然ガスを送るパイプライン2本のうち1本を停止したと発表。天然ガスの代替として原油の需要が増えるとの見方から買いが膨ら
だ。調整は難航しているものの、欧州連合(EU)がロシア産の原油や石油製品の禁輸を目指した取り組みを続けている。禁輸に向けて、欧州委員はロシア産エネルギーに対する依存度が高いハンガリーと協議を続けており、当局者はある程度の進展を遂げたと述べている一方、エネルギー安全保障を巡る懸念を緩和するには財政的な支援を含めて追加的な協議が必要であるとしている。スロバキアやチェコとの交渉も不透明。
行動規制が続く中国・上海市で新型コロナウイルスの新規感染者が減少傾向にあると伝わったのも一因。
米エネルギー情報局(EIA)週報で、原油在庫が市場予想に反して増加したが、製品在庫の減少傾向が続いていることが相場を押し上げた。ドライブシーズンの本格化を控えて、ガソリン在庫は過去5年のレンジ下限を下回った。小売価格が過去最高水準を更新するなかで需要は前年割れを続けているが、製油所稼働率は90.0%と十分に高まっておらず、ガソリン在庫の取り崩しが続いている。留出油の在庫は2005年5月以来の低水準を更新。東海岸のPADD1の供給不足が深刻化しており、この地域の留出油の在庫は過去最低水準を塗り替えた。