スイス税関が21日に発表した統計で、同国が5月、ロシアから金を輸入したことが分かった。ロシア産の金輸入は同国のウクライナ侵攻以来初めて。ロイター通信によれば5月にスイスがロシアから輸入した金は約3.1トン(2億ドル相当)。2月までの12カ月のロシアからの金輸入の月平均2トンを上回る。

ロシアは世界有数の金生産国。金輸出は外貨の獲得手段になる。主要7カ国(G7)や欧州連合(EU)は経済制裁の一環でロシアの中央銀行が保有する金の取引を禁じた。西側による対ロ制裁は商用の金輸出を直接の標的としていないが、多くの銀行や輸出・精製業者は侵攻後ロシア産の金の取り扱いを停止している。

今回の取引の詳細は不明だが、輸入が続けば対ロシア制裁の「抜け穴」となる可能性もある。

永世中立国スイスは、金の精製で世界第1位。ロシアは世界最大の金塊生産国の一つ。第2次世界大戦時にはナチスドイツがユダヤ人から没収した金をスイスが買い、ナチスに資金が流れたとの指摘が問題になったこともある。


スイス連邦税関・国境警備局は声明で「1億9400万スイスフラン(2億0200万ドル)相当のロシア原産の金約3トンが、英国からスイスに輸入された」とし、制裁措置に照らして調査していると説明したが、輸入したのが誰かは法的な理由により明らかにできないとしている。