石油輸出国機構(OPEC)月報で、2022年の世界石油需要の伸び見通しを日量255万バレル(2.6%)と前回予想から10万バレル引き下げた。下方修正は4月以降で5回目。高インフレや金利上昇など経済的な課題が積み上がっているため。

OPEC月報で、10ー12月(第4四半期)に必要となる原油生産量の見通しを日量52万バレル引き下げた。先月も同様の規模で下方修正していた。景気減速に加えて、中国の厳しい新型コロナウイルス対策が背景。

「世界経済は22年第4・四半期に課題が増大し大きな不確実性が存在する時期に突入した」と指摘。「下振れリスクには高インフレ、主要中銀による金融引き締め、多くの地域における高水準の政府債務、労働市場の引き締まり、サプライチェーン(供給網)の制約継続が含まれる」とした。

23年の石油需要の伸び見通しも日量224万バレルと前回予想から10万バレル下方修正された。

「OPECプラス」は先月、日量200万バレルの供給削減で合意。月報は、今月から実施とするこの減産が完全に履行されなくても、原油生産量は需給が均衡する水準へ減少するだろうと予想した。

一方、22年と23年の世界経済成長率予測は据え置かれた。リスクは下方に偏っているものの、上方に向かう可能性もあるという。

OPECは「これは様々な要因によってもたらされる可能性がある。主に東欧の地政学的状況が解決されれば、インフレ率にプラスの影響を与え、タカ派的でない金融政策が可能になる」とした。