国際エネルギー機関(IEA)月報で、2023年の世界の石油需要は前年比1.6%増と、22年の2.2%増から鈍化見通し。欧米を中心とする金融引き締めの加速が世界的な景気減速を招き、石油消費量が伸び悩むと予測した。

世界の石油需要は23年に日量1億138万バレル、22年に9977万バレルになる見通しとした。特に新型コロナウイルス対応のロックダウン(都市封鎖)の悪影響を受ける中国や、エネルギー危機に直面する欧州での消費量の低迷が続くとみる。

一方、トラックに使用されるディーゼル油の供給は「極めて逼迫」しており、需要抑制のためにも価格はさらなる上昇を余儀なくされる恐れがあると指摘した。

「冬場にかけて石油市場は引き続き微妙にバランスが取れた状態にある」と指摘し、「間もなく開始する欧州連合(EU)のロシア産原油・石油製品の禁輸措置や海上サービスの禁止措置によって、世界的な石油の需給バランスはさらなる圧力を受けるだろう」と分析。

IEAは、ロシア産石油を避ける動きから来年の同国の産油量は日量140万バレル減少すると予想。またEUに必要な代替調達規模は原油が日量100万バレル、石油製品が同110万バレルで、特にディーゼルは不足し価格が上昇すると予想した。

「OPECプラス」は11、12月の供給削減に合意。IEAはこの減産計画を再考するよう求めている。欧州連合(EU)によるロシア産原油・石油製品禁輸および主要7カ国(G7)のロシア産石油販売価格の上限設定は、すでに価格高騰と深刻な経済問題に直面している石油市場に前例のない不確実性をもたらすと指摘。

EUは、ロシア産原油の海上輸送に輸入を12月5日までに禁止する。時期を同じくしてG7はロシア産原油の販売価格に上限を設ける。EUは来年2月5日までにロシアの石油製品の輸入も禁止する予定。