米下院は7日未明、多数派の共和党を率いるケビン・マッカーシー議員(57)を議長に選出した。投票が10回以上繰り返され、164年ぶりの歴史的混迷となった議長選は6日深夜に始まった通算15回目の投票で決着した。マッカーシー氏は造反した議員の切り崩しで譲歩を余儀なくされ、議会運営に不安を残す。

 議長選は新議会が発足した3日から4日間にわたって投票を重ねた。定数435のうち428人が投票した15回目は7日未明に終了した。マッカーシー氏が過半数の216票、下院民主党トップのジェフリーズ院内総務が212票を獲得。6人は棄権した。

 マッカーシー氏は強硬派の要求に応じ、議長解任動議の提出に必要な議員数を1人に引き下げることで合意。議事運営委員会に割り振る強硬派の議席も拡大した。

 下院議長選が再投票になったのは1923年以来100年ぶりで、投票が10回以上になったのは南北戦争前の1859年以来とされる。