ゴールドマン・サックスは、2023年はコモディティーが「優れたトータルリターン」を生み出し、世界のマクロ経済状況の根本的な変化と低水準の在庫に後押しされ、他の資産を再びアウトパフォームする可能性が高いとの見解を示した。

メモで「マクロとミクロの動態が再調整されているため、投資家はコモディティーセクターと、長期的な設備投資の深刻な不足を示している長期的な超シクリカル(景気循環)を巡る議論に改めて注目する可能性が高い」と指摘。S&P GSCI商品指数のリターンとして3カ月、6カ月、12カ月の期間でそれぞれ9.9%、17.3%、31.2%と予想した。

12カ月の期間では、エネルギーから46.9%、工業用金属から29.6%、貴金属から5.7%のリターンを予想している。

ゴールドマンは「原油市場はロシアの生産減少と需要増を織り込んでいない」とし「中国の再開は変革をもたらす」と言及。「原油、石油精製品、液化天然ガス(LNG)、大豆などのコモディティーは特に中国の需要の追い風を受ける」とした。

また「2022年後半には中央銀行の引き締めとドルがコモディティーにとってマクロ的な逆風となっていたが、ドルの持続的な変化がコモディティーを大幅に上昇させる材料になる」とした上で、特に金について「米連邦準備理事会(FRB)が成長懸念にますますシフトし、利上げペースを鈍化させ、ETF(上場投資信託)保有が安定化する可能性がある中、脱ドル化は金にとって非常に強気材料であり、持続的な上昇の頂点に立つ」とした。