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昨晩のNY原油(7月限)は続落した。前日比1.12ドル安の1バレル70.17ドルで終えた。

中国国家統計局が9日発表した5月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.2%上昇と、市場予想(0.3%上昇)を下回った。5月の卸売物価指数(PPI)は前年同月比4.6%下落し、マイナス幅は4月(3.6%)から拡大した。7日に発表された5月の貿易統計では輸出と輸入がともに減少していた。中国景気の回復は想定ほど強くないとの見方が改めて広がった。

中国景気の回復が鈍いと認識されているほか、米経済が悪化しつつあると見られていることが重し。6月FOMCでは利上げ見送りが想定されているものの、13日の米消費者物価指数(CPI)次第では利上げ継続の思惑が強まる可能性がある。季節的な需要の上振れよりも、景気悪化による長期的な需要下振れが警戒されている。

イランがウラン濃縮を減らし、米国が対イランの石油制裁を緩和する暫定合意に近づいているとの報道が、米国とイラン両国に否定されたことは支援要因。対イランの石油制裁が解除された場合、同国は日量100万バレル超の増産が可能であるとみられている。石油輸出も同じ規模で増加する公算。
ただ、市場では「何らかの動きがありそうだ」との見方も強い。

石油サービス会社ベーカー・ヒューズが9日に発表した米国の石油生産向けの掘削設備(リグ)稼働数が事前予想に反して前週から小幅ながら増えた。