ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)が6日発表したリポートによると、2023年4〜6月の世界の総需要量は217万1000トロイオンス(約68トン)と、前年同期比31%増えた。

前年を上回るのは3四半期連続。半導体不足の緩和で自動車生産が持ち直し、自動車向けの需要が回復した。

自動車向け(排ガスを浄化する触媒)は、需要全体の4割ほどを占める。4〜6月は84万トロイオンスと、前年同期比19%増えた。工業向けや投資向けも需要が伸びた。

世界経済が減速するなか、パラジウムからの代替や中国の排ガス規制の強化で、白金の需要は前年から伸びた。

化学品の触媒などに使う工業向けは前年同期比12%増の69万7000トロイオンス。現物に裏付けられた上場投資信託(ETF)や地金、コインを含む投資需要は15万4000トロイオンスの流入超過だった。

鉱山からの供給は減少した。前年同期比3%減の147万8000トロイオンスだった。白金は採掘や精製で大量の電力を消費する。世界最大の生産国である南アフリカでは脆弱なインフラで計画停電が相次ぎ、白金の供給も制約された。

WPICは23年通年の総需要量見通しを、前年比27%増の823万トロイオンスとした。前回の見通し(817万6000トロイオンス)から上方修正した。自動車向けなどの伸びを反映した。同年の白金需給は100万5000トロイオンスの不足とし、過去最大の供給不足を見込む。