ゴールドマン・サックスが発表した第2四半期(4〜6月)決算は、最終利益が34億3500万ドル(約3200億円)となり、前年3〜5月(決算期の変更に伴い前年同期に相当)に比べて65%増加。4〜6月期は最終利益、純営業収益とも四半期ベースで過去最高の水準。事前予想に対しても約40%上回る内容。

 同社は昨年の金融危機を背景に赤字へ転落したが、1〜3月期に黒字へ転換。4〜6月期で2四半期連続の黒字となった。

 GSの1人勝ちを象徴するような今回の良いニュースに対して、GSの負の面として、今月初旬のセルゲイ・アレイニコフ前副社長の逮捕がある。セルゲイ・アルニコフ氏はGSで「分散型リアルタイム高頻度取引プラットフォーム」の開発を指揮していたが、このプラットフォームこそGSの収益を上げてきた秘密兵器。100分の1秒の単位で株や債券を売買でき、GSはこのプログラムの開発に「数百万ドル」を費やしたが、毎年「巨額の利益」を得ていたと報じられている。金融関係者に人気のブログ「ゼロヘッジ」がこのプログラムの価値についてオンライン投票を行ったところ、4億ドルを超えるとの見方が大勢を占めた。

 FBI(米連邦捜査局)が4日に連邦地裁に提出した訴状によると、アレイニコフ氏はプログラムを密かにドイツのサーバーにアップロードし、自宅のコンピュータに保存。

 ヘッジファンドの元トレーダーらが創設したテザ・テクノロジーズに転職していたアレイニコフ氏は、GS時代の年収は40万ドルだったが、転職先はその3倍の報酬を約束していた模様で、75万ドルの保釈金を積んで保釈されている。

 この件が、今後のGSの収益にどのように影響を与えるのか注意しておきたい。

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