画像 009東京新聞夕刊に張本勲氏の「この道」と言うコラムが連載中だが、通算3000安打クリア直前にトレード話が浮上した際に、王さんが正力オーナーに張本氏残留を直訴した話が掲載されている。以下、一部をご紹介。

 驚いたオーナーは「キミ、何を言うのか。キミは酒を飲んでいるな」と言った。王ちゃんは毅然として「いえ、まだ一滴も飲んでいません。張本君を残してやってください」と繰り返した。
 熱いものがこみ上げた。だけどこれ以上王ちゃんに発言させてはいけない。丹前の袖を引っ張り「もう思い残すことはない。ありがとう」と席に戻った。
 王貞治という人のスケールの大きさ。〜中略。あのときの恩は一生忘れない。


 WBCの際にイチロー曰く「ホームランの数だけじゃない。記録だけで“世界の王”と言われているんではない。人柄、器の大きさ、懐の深さというかね。まあ、そういうことが、“世界の王”と言わせているゆえんですよ。この人のためにやりたいって思うよね。まあ、宝物ですね。王監督と同じ空間で、時間を過ごさせてもらったことは」

 昨年のNHKでの特別番組での一言も記憶に残っています。

 「人間だから失敗することもありますよ、などということは、他の人がいってくれるのならいいけれど、自分で言うことじゃない。そういうことを言う人に限って、ミスを犯すんです。プロはね、自分のことを人間だなんて思っちゃいけないんです」。

 「極限まで努力した」プロ意識が、言わせる誇り高い言葉であった。


 「自分に厳しく、人の痛みを知る」一歩でも半歩でも近づけるように努力したい。

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