朝だ夜明けだ

週末のNY原油(2月限)は反落した。前日比1.21ドル安の1バレル52.36ドルで終えた。
世界最大の原油輸入国である中国で新型コロナウイルスの流行が再び強まる兆候があることが重しとなった。米ジョンズ・ホプキンス大学によると、新型コロナによる世界の累計死者数は15日に200万人を超えた。世界の原油需要を支える中国では14日の新規感染者数が10カ月ぶりの高水準になったと伝わった。中国では4都市が封鎖され、2800万人の行動が制限されていることから、需要の下振れ懸念が高まっている。ただ、1日あたりの感染者数は昨年2月にかけての第1波と比較するとまだわずかな水準にとどまっている。
米国のバイデン次期政権が第1弾の景気対策案であるレスキュープランを発表し、想定の範囲内の内容だったことは利益確定の売りを誘った。バイデン新大統領は2月の上下両院合同議会で「インフラ投資などの経済再建策を改めて表明する」としており、景気対策に対する期待感は温存されている反面、1.9兆ドル規模の第1弾の景気対策と合わせてかなり大規模な財政出動になる見通しであることから、実現性が疑問視されている。
週明け月曜日がキング牧師の誕生日で休場となることは調整安を促した。
米国では15日発表の2020年12月の小売売上高が市場予想を下回った。新型コロナの感染拡大による個人消費の落ち込みが鮮明になった。
石油会社ベーカー・ヒューズが午後に発表した原油生産に使う米国の掘削設備(リグ)稼働数が前週から12基増え、8週連続で増加した。

週末のNY白金(4月限)は反落。前日比36.5ドル安の1089.9ドルで終えた。
バイデン次期政権が追加の景気対策案を発表したものの、景気回復を主眼としたリカバリー・プランの発表は数週間先と発表されたことから、金相場の下落やドル高が重しとなった。
バイデン次期政権が発表した1.9兆ドル規模のレスキュープランは景気対策の第1弾であり、2月の上下両院合同議会で第2弾であるインフラ投資などの経済再建策が公表される見通し。かなり大規模な財政支出となることから景気見通しを改善させる可能性が高い反面、議会の通過など実現性や国債の増発による米金利上昇が警戒されており、金融市場を前向きな方向へ動かしていない。
昨年末から各国で新型コロナウイルスのワクチン接種が始まっているものの、接種率がまだ低水準にとどまっていることからの流行が収まる兆候がみられないほか、中国で再流行の兆しがあることは今年の景気見通しを曇らせてる。来月の春節によって、中国国内の流行がさらに広がることが警戒されている。

週末のNY金(2月限)は続落。前日比21.5ドル安の1トロイオンス1829.9ドルで終えた。
バイデン次期政権が追加の景気対策案を発表し、財政出動によってインフレ期待が高まり、相対的なドルの先安感が強まったものの、ドルが堅調に推移したことが金を圧迫した。米長期債利回りの低下はドル安につながっていない。
バイデン次期大統領は1.9兆ドル規模のレスキュープランに続き、2月の上下両院合同議会でインフラ投資などの経済再建策を改めて表明するが、かなり大規模な財政支援となり、議会の通過など実現性が疑問視されたことが逃避通貨であるドルを押し上げた。
中国で新型コロナウイルスの感染者数が拡大し、4都市が封鎖されている。中国経済が第1波のときのように落ち込めば、世界経済の先行きを一段と曇らせるが、足元の感染者数の伸びは限定的で、今のところ特に材料視されていない。

週末のドル円は、前日比10銭円安・ドル高の1ドル=103円85〜95銭で終えた。
日米欧の株安や12月の米小売売上高の落ち込みを受け、ドルが対ユーロなどで上昇した。対円でもドル買いが波及した。12月の小売売上高が前月比0.7%減と市場予想(0.1%減程度)を下回った。
バイデン次期米大統領が14日夜に1.9兆ドルの大型の経済対策案を発表した。与野党の勢力が拮抗している上院で審議が難航するとの見方があるほか、トランプ米大統領の弾劾裁判の開始時期などによっては成立が遅れるとの懸念もある。
ただ、米長期金利の上昇が一服する中、株安などを受けてドルと同じく円にも買いが入りやすかった事で、ドル円の上値も限定的。
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