5, 偉大なトレーダーは柔軟性に秀でている

偉大なトレーダーでも、初めは完全に考え方が誤っていることがある。しかし、最終的に彼らが成功を収めるのは、アプローチを変える柔軟さがあるからだ。

ベンジャミン・フランクリンいわく「人生における最大の悲劇の1つは、種々の不合理によって素晴らしい理論が打ち消されることである」。優れたトレーダーはこの「悲劇」を直視し、先入観を捨てて現実を見極めることができる。

例えばウォールトンはまず、優良株を売り、割安株を買うことから始めた。しかし実際のマーケットで儲けるには、この方法では無理なことを彼は経験から彼は学んだ。柔軟にも、このアプローチとはまったく逆の方法をとることにした。また、トレードを始めて間もないころのミネルヴィニは最安値を更新している低位株を買っていたが、最終的に彼が使うようになったのはそれとまったく正反対の方法だった。

マーケットは常に動いている。ある期間有効だった方法が、時が移れば機能しなくなることもある。マーケットで成功するためには、変わりゆく状況とすでに変わってしまった現実に適応する能力が要求される。

例えば
 ●ウォールトンは、自分が感じた現在のマーケットの状況に合わせて戦略を調整する。その結果、ある年はモメンタム銘柄の買い手となり、また別の年にはバリュー株銘柄の買い手となる、という可能性もある。彼いわく「私の理想は、クラゲのように漂い、マーケットが進む方向に流されることです」。
 ●レスカルボーは信じられないようなパフォーマンスを生み出すシステムを作り出したにもかかわらず、マーケットの状況の変化に備え、新たなシステムを構築すべくリサーチを続けている。
 ●フレッチャーの現在の戦略は、今よりずっとシンプルな初期の戦略からいくつかの段落を経て発展したものだ。利用しているアプローチに追随する競合相手が多くなるとフレッチャーは新たな戦略を考えだすのに忙しくなる。
 ●コーエンはこのようなことを言っている。「僕は常に学ぶことができ、いつも刺激的で新鮮なんだ。10年前と今とでは、している仕事も違う。僕はこれまで進化してきたけれど、今後も進化し続けるつもりなんだ」

中国・上海の規制当局、上海市国有資産監督管理委員会は、ステーブルコインとデジタル通貨への戦略的対応を検討するため、地方政府関係者を集めた会議を10日に開催したと発表。暗号資産(仮想通貨)の取引が禁止されている中国で大きな転換を示唆する動き。

公式SNSアカウントへの投稿によると、同委員会の賀青主任は会議で「新興技術に対する感度を高め、デジタル通貨に関する研究を強化」する必要があると述べた。

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暗号資産(仮想通貨)ビットコインBTC=は11日、一時4%上昇し、11万80000ドルを上抜け、連日最高値を更新した。年初来の上昇率は26%となっている。

ビットコインに対する強気な見方が強まる中、イーサETH=も6.5%高。そのほか、XPRは12%高、ソラナは2%高で推移した。

コインマーケットキャップのデータによると、仮想通貨市場の時価総額は約3兆7000億ドルに達した。

仮想通貨の急騰に追随し、暗号資産関連銘柄も軒並み上昇。

米下院は14日の週を「クリプトウィーク(仮想通貨週間)」と位置付け、仮想通貨に関する3つの主要法案を審議する。これら法案は、暗号資産業界が長らく求めてきた米国での規制の枠組みを提供する公算が大きい。

規制を巡る不透明性が解消されば、資本が再び参入するほか、より多くの企業がビットコインを採用する可能性があるとみられている。

米財務省が11日発表した6月の財政収支は270億ドルの黒字となった。トランプ大統領の関税措置により、同月の関税の総収入が過去最高の272億ドルを記録したことが背景。

過去3カ月間、増加傾向にある関税収入により、6月の歳入は

前年同月比13%(600億ドル)増の5260億ドルと、同月としては過去最高を記録。一方、歳出は7%(380億ドル)減の4990億ドルとなった。


2025会計年度(24年10月─25年9月)の6月までの累計では、関税収入は年間ベースで初めて1000億ドルを超えた。グロスベースでは過去最高の1133億ドル、ネットベースでは1080億ドル。

ただ、25会計年度の累計の財政赤字は5%(640億ドル)増の1兆3370億ドル。医療費、社会保障費、国防費、債務の利払いの増加が背景。

歳入は7%(2540億ドル)増の4兆0080億ドル、歳出は6%(3180億ドル)増の5兆3460億ドルと、ともに過去最高を記録した。

ルビオ米国務長官は、マレーシアのクアラルンプールで11日に中国の王毅外相と会談する。米国務省が発表した。通商を巡る緊張が高まる中、両者の対面での会談は初めて。

国際エネルギー機関(IEA)月報で、世界の石油市場は供給過剰を示しているが、実際はより引き締まっている可能性があるとの見方を示した。夏の旅行需要に対応するため、製油所が稼働率を引き上げていることを理由に挙げた。

IEAは今年の世界の原油供給量が日量210万バレル増加すると予測し、前回予想から30万バレル上方修正した。一方、世界の需要は日量70万バレルの増加にとどまるとしており、大幅な供給過剰を示唆している。

しかし夏の旅行や発電需要を満たすための製油所の稼働率上昇により、市場は引き締まっていると述べた。

「OPECプラス」が先週末、増産で合意したことについて、「ファンダメンタルズ(基礎的条件)が逼迫しているため、市場で有意義な動きは見られなかった」と分析した。

「価格指標もまた、IEAが推計した大規模な供給過剰が示唆する以上に石油市場が逼迫していることを示している」と指摘した。

来年については、需要の伸びを平均で日量72万バレルと予想し、従来予想を2万バレル下方修正した。一方、供給の伸びは日量130万バレル増と予測した。

 11日のSPDRゴールドの現物保有高は前日比1.17トン減の947.64トン。

yen
昨晩のドル円は、前日比1円15銭円安・ドル高の1ドル=147円35〜45銭で終えた。

トランプ米大統領は10日夜、自身のSNSにカナダに関税率を通知する書簡を公表した。カナダが報復措置をとれば、35%とした税率をさらに引き上げる考えも示した。10日の米NBCテレビのインタビューでは、通知を受け取っていない国に対しては一律で15%か20%の関税をかけることを検討していると述べた。

高関税が米国の物価上昇につながるとの観測を背景に、米債券市場で長期金利が上昇し、日米金利差の拡大を意識した円売り・ドル買いが出た。
EURO
ユーロは対ドルで3日続落し、前日比0.0010ドルのユーロ安・ドル高の1ユーロ=1.1685〜95ドルで終えた。米長期金利の上昇を受け、ユーロ売り・ドル買いが出た。米政権による欧州連合(EU)に対する関税率の通知を見極めたい雰囲気もあった。

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昨晩のNY金(8月限)は、3日続伸した。前日比38.3ドル高の1トロイオンス3364.0ドルで終えた。

新たな米関税措置の通知を受け貿易戦争への警戒感が高まる中、リスク回避の買いが膨らんだ。ドルが堅調に推移したことが圧迫要因となり、中盤で上げ幅を縮小も米国株が軟調に推移したこともあり、安全資産としての買いが持続、また買い戻しの動きもあり、40ドル近い上げ幅を維持して引けた。

トランプ米大統領は10日、カナダに35%の関税を課すと通知する書簡をSNSで公表した。発動は8月1日。相互関税の通知を受けていない貿易相手国・地域に関して、「15〜20%」の税率になると示唆している。

米連邦準備制度理事会(FRB)による年内の政策金利引き下げ期待も、利子の付かない資産である金の支援要因。ウォラーFRB理事が10日、今月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)で「利下げを検討することは可能」と、早期の利下げ再開に前向きな発言をしたことも材料視された。

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昨晩のNY原油(8月限)は、反発した。前日比1.88ドル高の1バレル68.45ドルで終えた。

国際エネルギー機関(IEA)月報で、夏の旅行に伴う需要が発生しているほか、季節要因による発電増が原油需給の引き締まりにつながっていると指摘。「OPECプラス」の追加増産については、需給が逼迫していることから「市場を大きく動かさなかった」と説明した。

ロシアのノバク副首相は11日、同国がOPECプラスの枠を超えて生産した分を既存の計画に沿って8〜9月に調整する意向を示した。このほか、ロイター通信が業界筋の話として、OPEC盟主であるサウジアラビアの8月の中国向け原油輸出が2年超ぶりの高水準に増加する見通しだと報じた。

トランプ米大統領は10日の米NBCニュースの番組で「月曜日にロシアについて重大な声明を発表する」と語った。ロシアに対する制裁強化によってロシア産原油の供給減につながるとの観測も相場を支えた。

一方、米石油サービス会社ベーカーヒューズが11日公表した同日までの1週間の国内石油掘削リグ稼働数は前週比1基減の424基と、2021年9月以来の低水準となった。

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昨晩のNYダウは、3日ぶりに反落し、前日比279ドル13セント安の4万4371ドル51セントで終えた。
ナスダック総合株価指数は4日ぶりに反落した。前日比45.138ポイント安の2万0585.527(速報値)で終えた。

米政権がカナダに8月1日から35%の関税を課すと表明。米国の高関税が世界景気を押し下げるとの懸念が広がり、高値圏にある主力株に利益確定売りが出た。
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トランプ米大統領は10日、自身のSNSでカナダに関税率を通知する書簡を公表した。カナダ側が対抗措置をとれば関税率を引き上げる方針。トランプ氏は米NBCテレビのインタビューで、欧州連合(EU)にも11日までに新税率を通知する考えを示した。通知を受け取っていない国には一律で15%か20%の関税を課すことを検討しているとも明かした。

4. 失敗と忍耐
本書に登場するトレーダーのうち、始めから成功した人もいるが、その他は初期にマーケットで大損を出している。クックはトレーディング投資のすべてを数回失っているばかりか、そのうち1度は数十万ドルの負債を抱えて破産寸前になった。

ウォールトンは父親から借りたおカネをすべて失い、その数年後にトレーディング資産だけではなく、家を担保にして借りたおカネまでも失った。ミネルヴィニもまた、マーケットによって全資産に加え、借りたおカネも失った。

彼らは、そのような悲惨な滑り出しにもかかわらず、最終的には素晴らしい成功を収めている。彼らはいかにしてかくも完璧な変容を遂げることができたのか?もちろん答えの1つは、彼らが失敗に打ち負かされない精神力的な強さを持っていたことだ。

しかし融通の利かない粘りでは意味がない。もしも彼らが何等か方法を変えずに続けていれば、同じことの繰り返しだっただろう。ポイントは、彼らが方法を100%変えたことである。

225mac
本日の日経225(6月限)は、続落。心理的節目40000円を回復できず。
MACでは、売りのセットアップとなった。週明け、終値ベースで、LMA(39520円)を割り込むと、売りのトリガーヒットとなる。
225ichimoku
転換線に続き、基準線も割り込むと、V=38740円、N=38680円、E=37990円などが意識される流れ。

6月30日の上ヒゲ高値が、目先の天井候補。
200日移動平均線〜雲の上限下値支持帯。
225renko


練行足は陰転継続。

TKPTMAC
本日のJPX白金は、反発。MACでは、6月6日にヒットした買いのトリガー継続。LMA(5979円)〜HMA(6146円)を下値支持帯とした押し目買い基調。
日柄経過と共に徐々に、ダブルトップ形成から、三角もち合い放れ待ちへ移行中。
終値ベースで6月27日上ヒゲ高値(6319円)〜7月2日の下ヒゲ安値(5793円)のレンジを終値ベースで離れた方向に動意付きそう。
TKPTICHIMOKU
ネックライン(7/2安値)を割り込んだ場合は、ダブルトップ完成。N=5745円、V=5315円、E=5267円などが下値目標としてカウント可能。
一方、基準線は上向きのままで、心理的節目6000円が支持線として意識されている状況。終値ベースで、6000円を維持できるか否かが焦点。
TKPTRENKO

練行足は陰転継続。
TKPTBB




ボリンジャーバンドは、+1σ割れ。早々に+1σを回復しないと6月3日安値〜6月27日高値までの上昇に対する38.2%押し(5663円)〜半値押し(5460円)などが意識される。
中心線〜ネックラインの攻防が焦点。
TKPTGBB

「白金−金」の鞘も中心線の攻防戦へ。同水準を割り込むと、これまでの「白金買い・金売り」が手仕舞われる。

TKGMAC
本日のJPX金先限は、続伸。
MACでは、9日にヒットした買いのトリガー継続。LMA(15585円)〜HMA(15699円)を下値支持帯とした押し目買い基調。
TKGICHIMOKU
6月24日の上ヒゲ高値が目先の天井候補。3月11日安値〜6月24日高値までの上昇に対する38.2%押し(15217円)と重なる雲の上限が下値支持として機能した。
基準線〜転換線が下値支持帯に変化。終値ベースで、6月24日高値を上抜いてくると、N=16704円、V=17051円などが意識される。
TKGRENKO


練行足は陽転継続。
tkgbb


ボリンジャーバンドは、%Bは横ばい推移で、-2σ〜+2σ間の逆張り型の値動き継続。
ADXも低水準で、トレンドの勢いは弱い。

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