ウクライナ政府は6日、国家汚職対策局(NABU)の新局長にセメン・クリボノス氏を任命した。NABU局長の選定は、ウクライナへの支援拡大と、同国の欧州連合(EU)加盟を判断する際の鍵として西側同盟諸国から注目されていた。

クリボノス氏はこれまで国家建設都市計画検査局のトップだった。任期は7年。

ウクライナはロシアによる侵攻から4カ月を経た昨年6月にEU加盟を申請。ウクライナでは長年にわたり汚職がまん延しており、EU側は汚職撲滅を最優先課題とし、NABU新局長を対策の重要な柱と見なしている。

汚職対策は外国からの支援を獲得する上でも極めて重要と見なされており、当局はここ数カ月、汚職撲滅運動を強化。ゼレンスキー大統領も運動を公に支持している。

ただキーウの非政府組織(NGO)の反汚職活動センター(AntAC)は、クリノボス氏は汚職対策の経験に乏しい上、大統領府と関係を持つ人物だとして懸念を示した。