南アフリカのラマポーザ大統領は8日の議会で施政方針演説を行った際、与党のアフリカ民族会議(ANC)の過去30年間の功績を誇示したが、過去最悪の失業率や相次ぐ汚職疑惑など足元の大きな問題に対処する計画の詳細説明はなかった。

ANCは、アパルトヘイト(人種隔離)撤廃後初の民主的選挙で故ネルソン・マンデラ氏が勝利に導いて以来、政権を担ってきた。ただ、今年5月から8月にかけて実施が見込まれる総選挙を控え、過去にない厳しい選挙戦を強いられている。

世論調査によると、議席の絶対多数を失い、国家権力を引き続き掌握するには連立政権の選択を余儀なくされる見通し。

南アフリカは依然、世界で最も不平等な国の一つ。汚職疑惑が相次ぎ、失業率は過去最高水準で、南アフリカ国民の30%以上が職に就いていない。