昨晩のNY原油(1月限)は、4営業日ぶりに反落した。前日比0.27ドル安の1バレル70.02ドルで終えた。
国際エネルギー機関(IEA)月報で2025年の供給が潤沢との見方を示した。「OPECプラス」が減産を続けても、米国などOPECプラス以外の供給が増えるとみる。世界の需要見通しは小幅に引き上げたが、中国などの伸び悩みで需要は鈍いとみた。
現在の見通しでは日量95万バレルの供給超過となり、「OPECプラス」が自主減産の縮小を開始するなら供給がさらに過剰となるリスクがあるという。ただ、来年の世界の需要見通しについては、前年比で日量99万バレル増から同110万バレル増に上方修正している。
OPECは11日発表の月報で世界の需要見通しを下方修正していた。
来年の中国の金融緩和見通しや景気・需要回復期待は引き続き支援要因。トランプ次期米大統領が習近平国家首席を就任式に招待したとの報道があり、中国と米国の経済的な対立を巡る警戒感はやや後退している。
トランプ次期米大統領が国家安全保障担当の大統領補佐官に指名したマイク・ウォルツ下院議員が11日のFOXニュースのインタビューでトランプ政権がイランに対して強い圧力をかける可能性を示唆した。前日には欧州連合(EU)がロシアに対して追加制裁を科す方向と伝わっており、地政学リスクへの懸念も下値支持要因。