
昨晩のドル円は、前日比50銭円高・ドル安の1ドル=152円25〜35銭で終えた。1月の米小売売上高が市場予想に届かなかったことなどで米長期金利が低下。日米金利差縮小を受けてドル売り円買いの動きに。
小売売上高は前月比0.9%減と、市場予想(0.2%減)を下回った。自動車・同部品を除いたベースでは市場の増加予想に反して減った。寒波や年始に発生したロサンゼルスの大規模な山火事が影響したとみられるが、消費減速の可能性も意識された。
1月の米鉱工業生産は寒波で電力・ガスの生産が増えた一方、製造業は低調だった。これらマクロ経済指標を受けて米長期金利は水準を切り下げた。
米長期金利は12日発表の1月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったのを受け、週半ばに一時4.6%台に上昇していた。
トランプ米大統領が13日に貿易相手国に同水準の関税を課す「相互関税」の導入を指示する覚書に署名したが導入までに調査期間をもうけ、すぐには関税を発動しなかった。広範囲にわたる関税が米インフレ加速を招くとの警戒がいったん薄れたのも円買い・ドル売りの一因だった。

ユーロは対ドルで4日続伸し、前日比0.0025ドルのユーロ高・ドル安の1ユーロ=1.0485〜95ドルで終えた。米経済指標を受けた米長期金利の低下に加え、ロシアとウクライナの停戦交渉が進むとの見方がユーロを支えた。