
昨晩のNY原油(5月限)は、上昇した。前日比0.21ドル(0.3%)高の1バレル68.28ドルで取引を終えた。トランプ米大統領による関税政策への警戒が後退し、原油先物に買いが入った。
トランプ大統領は21日、4月2日に導入するとしている相互関税について「柔軟性」があるとの認識を示した。輸入品への高関税が米経済の減速につながるとの懸念がいったん薄れ、投資家が運用リスクを回避する姿勢を緩めたことから買いが入った。前日、米国が第4弾目となる新たな対イラン制裁を公表したことを強材料に押し目買い優勢となり、プラスサイドに浮上した。イスラエルがパレスチナ自治区ガザの攻撃再開したことで地政学的リスクからの買いも根強く小高く引けた。
もっとも、相場の上値は重かった。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は21日の講演で、経済見通しは「極めて不確実だ」との認識を示し、原油需要の不透明感が上値を抑えた。