トランプ米大統領は、17日に6会合連続の利下げを決めた欧州中央銀行(ECB)を例に挙げて「『遅すぎる』FRBのジェローム・パウエルはいつも遅すぎるし間違っている」と非難した。「パウエルはECBのようにずっと前に利下げをすべきだった。今こそ下げるべきだ」とSNS投稿した。

利下げを求める根拠として「原油価格は下落し、食料品(卵さえも!)は値下がりし、米国は関税で豊かになっている」と書き込んだ。

同日午後にはホワイトハウスの大統領執務室で記者団に「私が議長を追い出したいと希望すれば、彼はすぐにそこを去るだろう、信じてくれ」と話した。「金利は今下げるべきだ」との主張を繰り返し、パウエル氏は「政治的な駆け引きをしている」との見方を示した。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は17日、トランプ氏がパウエル氏を解任し、元FRB理事のケビン・ウォーシュ氏を後任とする構想を練っていると報じた。ウォーシュ氏自身は解任に反対したが、南部フロリダ州の私邸マールアラーゴで数カ月にわたって議論したという。


パウエル氏の議長としての任期は2026年5月まで。トランプ氏が解任を試みても、実際には裁判となり、任期終了まで結論がでない可能性が高い。パウエル氏は過去の記者会見で大統領に議長解任の法的権限はないと主張。任期途中の辞任も否定している。