
昨晩のNY原油(6月限)は3日続落した。前日比2.21ドル安の1バレル58.21ドルで終えた。
サウジ当局者が同盟国などに対して、減産による市場の下支えをするつもりはないと説明しているとロイター通信が30日に報じた。サウジは世界の原油需給の調整弁としての役割を果たしてきた。一方、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国を含むOPECプラスの中には減産方針を順守しない国があり、サウジが態度を硬化させているという。市場ではサウジが一段と増産するとの観測が嫌気された。
中国国家統計局が30日発表した4月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は3カ月ぶりに好調・不調の分かれ目である50を下回った。同日発表の第1四半期の米実質国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比0.3%減となった。米経済がマイナス成長に陥るのは2022年第1四半期以来3年ぶり。
原油の主要な消費国である中国と米国の景気が減速しているとの見方も嫌気された。
米エネルギー情報局(EIA)週間在庫統計で原油在庫が市場予想に反し、減少した。ガソリン在庫も市場予想以上に減った。米国の原油需給の引き締まりが意識されたものの、強気の反応は限定的。