
昨晩のドル円は、前日比1円90銭円高・ドル安の1ドル=151円15〜25銭で終えた。トランプ米大統領のSNS投稿を受け、米国による対中関税の大幅な引き上げに対する懸念が広がった。
中国商務省は9日、一部のレアアース(希土類)や関連技術などの輸出規制を発表。トランプ大統領は10日、輸出規制に不快感を示し、中国からの輸入品への「大幅な関税引き上げ」を検討していると自身のSNSに投稿。10月下旬からのアジア太平洋経済協力会議(APEC)に際して予定していた中国の習近平国家主席との会談は「会う理由はなくなったようだ」との考えも示した。
トランプ氏は米東部時間10日17時前に中国に対して既存の税率に100%の追加関税を上乗せするとSNSに投稿した。中国の対応をにらみながら、11月1日かそれよりも早く実施する考えを示した。
日本では公明党が自民党との連立政権から離脱する意向を示し、近く召集される臨時国会の首相指名選挙で高市早苗氏が選出されるか不透明感が意識された。金融引き締めに慎重とされ、積極財政を掲げる高市氏の自民党の新総裁就任を受けて円安・ドル高が急ピッチで進んだ後で、週末を控えて利益確定や持ち高調整の円買い・ドル売りも入りやすかった。

ユーロは対ドルで5営業日ぶりに反発し、前日比0.0050ドルのユーロ高・ドル安の1ユーロ=1.1610〜20ドルで終えた。米中貿易摩擦への懸念再燃を受け、ドルは対ユーロでも売りが優勢になった。ただ、フランスのマクロン大統領は10日、首相を6日に辞任を表明したルコルニュ氏を首相に再指名した。同国政治を巡る不透明感はユーロの上値を抑えた。