wti
昨晩のNY原油(11月限)は、米ロ首脳が再会談するとの報を受け、ウクライナ停戦を意識した売りから3日続落した。前日比0.81ドル安の1バレル57.46ドルで終えた。米原油在庫が増えたほか、地政学リスクが低下したことから、売りが出た。

トランプ米大統領は15日、インドのモディ首相が「ロシアから原油を買わないと私に約束した」と言明。同氏は、インドや中国によるロシア産原油購入がウクライナ侵攻を長期化させているとして非難、両国に対する圧力を強めてきた。インドにとり、ロシアは最大の原油調達先で、輸入総量の約3分の1を占める。今後は他の産油国への切り替えが進むとの思惑から、朝方にかけては買い戻しが先行した。

しかし、インド外務省は16日、トランプ氏の発言を明確に否定も肯定もしなかったため、相場は次第に上げ幅を縮小。米上院の10度目の予算案否決や米地銀のローン債権問題が伝わると、需要先細り懸念が強まり、マイナス圏に沈んだ。さらに午後、トランプ氏がSNSにロシアのプーチン大統領と電話会談したと投稿。ウクライナ停戦を巡り「大きな進展があった」とした上で、プーチン氏とハンガリーで再び会談することで合意したと明らかにした。これを受け、地政学的リスクの後退から一段安となった。