世界銀行は、世界経済成長率予測を2.5%に下方修正した。エネルギー供給の混乱がさらに深刻化し、金融市場に大きなストレスが生じた場合、成長率はわずか1.3%まで鈍化する可能性があるとした。

半期に一度の「世界経済見通し」で、25年の世界経済成長率は2.9%になったと明らかにした。1月時点の推計値を0.2%ポイント上回った。一方、26年の予測は1月から0.1%ポイント低下しており、2019年終盤に始まった新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)以降で最も低い水準となる。

戦争の影響で3分の2の国の成長率予測を引き下げた。最も大幅な下方修正となったのはアラブ首長国連邦(UAE)、イラクなど、紛争でエネルギー輸出が大きな打撃を受けた中東諸国。


世銀は、基本シナリオでは北海ブレント原油の年間平均価格を1バレル=94ドルと想定しており、25年比36%の上昇となる。また、エネルギー供給への最悪の混乱は7月末までに収束し、世界の総合インフレ率は4%になると予測。

エネルギー供給の混乱が長期化し、今年の原油価格が平均115ドルとなれば、成長率は2.1%に鈍化し、インフレ率は4.4%まで上昇する可能性があるとした。さらに、エネルギーショックが金融市場に影響を与え、エネルギー価格の下落、市場のボラティリティー拡大、信頼感の低下を招けば、見通しはさらに悪化し、成長率は1.3%まで減速すると指摘。

世界の成長率は27年と28年には2.8%に改善する見込みだが、2010年代の平均を依然として0.4%ポイント下回る。人口増加の鈍化、民間投資の伸び鈍化、公共投資の減少、公的債務の増加、貿易の伸び鈍化など、複数の要因によるもの。

途上国は戦争でより大きな打撃を受けており、世銀は26年の成長率をパンデミック後の最低水準となる3.6%と予測している。25年の成長率は4.4%だった。

米国の成長率予測は2.2%に据え置いたものの、27年には2.1%、28年には2%に鈍化する可能性があるとした。ユーロ圏の成長率は25年の1.4%から26年には0.8%に低下する見通し。日本の成長率は25年の1.1%から0.7%に低下すると予測されている。中国の成長率予測は0.2%ポイント下方修正し、4.2%とした。25年は5%だった。

中東・北アフリカ・アフガニスタン・パキスタンの26年成長率予測を2.7%ポイント引き下げて1.6%とした。同地域は25年の4%成長から大幅減速する。ただ、27年には5%に回復する可能性があるとした。UAEの26年成長率は2.4%と、1月時点の予測である5%、25年の6.2%から大幅に低下する見通し。

インドは依然として世界で最も成長率の高い主要経済で、25年の7%成長に続き、26年には6.6%の成長が見込まれている。